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お子様の治療開始時期

お子様の矯正治療はいつ開始したらいいのでしょう

お子様の矯正歯科治療は、その時期と内容によって次の2種類があります。

I 期治療とII 期治療

I 期治療は必ず必要というわけではありあせん。お子様の症例によって、I 期治療が有効と判断される場合のみ行います。それ以外のケースでは、経過観察しながらII 期治療まで待つことになります。

I 期治療(早期治療)について

お子様の矯正歯科治療には成長発育という大切な問題が係わってきます。
たとえば、ご両親のどちらかのアルバムの中から小さな頃の写真を一枚取りだして眺めて見て下さい。子供の頃のお顔と現在のお顔。もちろん大きくなってはいますが、子供の顔のまま大きさだけが変わったのでしょうか、それとも少し面長の大人らしい顔つきに変わっていますか・・・

早く始めたほうがいいの?

人の顔の骨格は色々なパーツにより構成されており、それぞれ成長の時期、発育の量、速度が異なります。

例えば顔を上から三等分したとすると、一番上の頭の部分の成長は6歳の段階でその90%が完成していると言われています。しかし、下3分の1の顎の部分の成長は性差もありますが16~18歳まで続くと言われています。

さらに成長には個人差があります。子供の顔の成長が年令とともにどの程度、どちらの方向へ進んでいくかというおおよその値(平均値)はあるものの、患者様の成長の量や方向が必ずしもそれにあてはまるとは限りません。それ故、成長の予測は難しいといえます。

また、不正咬合のもう一つの問題である歯の大きさも乳歯の頃から予測することは難しく、レントゲン写真から割り出すことも困難です。実際に萌出してみなければその大きさはわからないのが実情なのです。

早期治療の開始は必要な場合のみ

これらのことから、矯正歯科治療開始の時期が早ければ早いほど、矯正歯科治療にとって大切な顎の成長予測や萌出してくる歯の大きさの予測は困難を極めることになります。つまり、不確実な要素ばかりで、治療方針の確立や予後の推測が難しくなるということです。

すべてを把握できる時期に開始することが確実な治療に繋がると考えると、早期に治療を開始するのは必要な場合のみと言えるではないでしょうか。

I 期治療(早期治療)が必要なケース

  1. 呼吸、咀嚼、嚥下、発音など機能に問題が生じている場合
  2. 歯牙、および歯周組織に損傷を与えている場合
  3. 今後の発育に悪影響を及ぼすと考えられる場合
  4. 早期治療を行うことにより本格的な矯正歯科治療が軽減されると考えられる場合や、治療期間の短縮が考えられる場合

などです。

II 期治療(本格矯正治療)について

II 期治療開始の最適な時期は?

II 期治療を始めるのに最適な時期は、顎の発育方向を把握することのできる永久歯列の完成する時期と考えています。この時期は大人に比べて歯の動きが良く、歯周組織(歯や歯を支える骨や歯肉)などの生体への適合性も良いようです。また、不正咬合による精神的な影響もそれほど強くはなく、あらゆる面で良好な結果が得られる条件が揃っているといえます。

さらに、親知らず以外の永久歯で最後に萌出する第2大臼歯の咬み合わせは、顎の関節や歯並び全体に影響を及ぼすことが多く、その萌出状況を確認することが大切です。そのほとんどが調節を必要としますので、子供の矯正歯科治療も特別な場合を除いて、12歳臼歯のコントロールを行うことを念頭において開始することになります。

そういった意味でも具体的な開始時期は12歳臼歯(第二大臼歯)の萌出する頃、つまり11歳~12歳くらいが最適と考えられます。

気になることが見つかったら

お子様の歯並びは生後6カ月から乳歯が萌出しはじめて、およそ12年もの歳月をかけて(親知らずを除く)すべての永久歯が萌出を終えます。その歯並びは身体の成長とともに刻々と変化していくのです。お子様の歯のはえかわりを心配しながら一喜一憂するのはあまり良い考えとは言えません。

矯正科では「永久歯列での歯並びを整え、顔の形に調和する形と機能を作り上げる」ことを最終的な目標とし、それに向かってすべて進めていきます。何か気になることが見つかった場合には、ご心配なさらずに矯正科を訪ねてみて下さい。そして、正しい知識を得られ、適確な時期に速やかに治療が開始できるように専門家と共に気持ちに余裕を持ちながら、充実した時を過ごされてはいかがでしょうか。

※早期治療が必要と診断された場合には、効率的な治療をできるだけ短期間のうちに行います。
  早期治療が必要ないと診断された場合には、定期的な観察を続けながら永久歯の萌出を待つことになります。
※I 期治療(早期治療)を早めに行えば矯正歯科治療が早く終わるというものではありません。