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外科矯正のボーダーラインケース

反対咬合(受け口)の治療例から・・・

矯正歯科治療だけで治療ができるの? それとも外科矯正治療も必要なのかしら・・・

このような不安を抱えていらっしゃる方は多いのではないでしょうか。特に大人の反対咬合は、外科矯正治療でないと治らないと多くの方が思われています。確かに症状により外科矯正治療が必要となる場合もありますが、反対咬合だからといって必ずしも外科矯正治療が必要とは限らないのです。ご自分で判断なさらずに、反対咬合の治療についての知識を深めて下さい。

矯正だけで治療が行なえるかどうかの判断は顔や歯の写真・歯型・様々なレントゲン写真などの資料から総合的に判断されます。特に頭部X線規格写真(セファログラム)というレントゲン写真をもとに上下の顎の骨の位置がどのくらいズレているかにより判断されます。

上下の顎の前後的なズレが、一定範囲内であれば矯正歯科治療のみで治療を行なうことが可能です。この場合、歯列の整列とともに、口元やお顔立ちのバランスの変化が期待される場合があります。矯正歯科治療と外科矯正治療のボーダーラインのケースで、より顕著な顔貌の改善を希望される場合には、外科手術を併用する選択肢もあります。患者様の希望によりどちらかを選択することになります。

それぞれの患者様により咬合の状態が異なることはいうまでもありません。どこの部分をどのように、どこまで治したいのか、選択した治療方法ではどのような治療結果が得られるのかを十分検討し、治療目標を立て、スタートすることが望ましいといえます。

ここでは反対咬合について取り上げましたが、上の歯が出ている上顎前突の重篤なケースにも同様なことが言えるのです。

治療例

症例[1] 矯正歯科治療単独で治療した症例

患者様の症状:受け口とでこぼこの歯並びでしたが、外科矯正で大掛かりな矯正治療にはなりたくないとのご希望がありました

治療方針
上顎前歯部に叢生が認められる反対咬合の症例。上顎と下顎の前後的な骨格のズレはそれほど大きくないと思われたため、矯正歯科治療単独での治療が可能と判断しました。

外科矯正 治療前
治療前

外科矯正 治療後
治療後

レントゲントレース
レントゲントレース

▼治療前

外科矯正 治療前 右側

外科矯正 治療前 正面

外科矯正 治療前 左側

▼治療後

外科矯正 治療後 右側

外科矯正 治療後 正面

外科矯正 治療後 左側

治療のポイント
矯正治療前は、骨格に合わせて口を閉じるのは難しかったことと思います。こちらのケースは下顎をカウンタークロックワイズローテーションさせることで、反対咬合に伴う横顔の印象に変化がみられました。

結果
反対の噛み合わせに変化がみられ、機能的な咬合関係の構築が図られました。外科手術を併用することなく、歯列の移動によって、お顔立ちと調和の取れた側貌への変化が確認されました。

  • 主訴:歯並びが悪い、受け口
  • 診断名・症状:反対咬合、叢生
  • 治療開始時年齢:33歳5か月
  • 治療に用いた主な装置:マルチブラケット装置(スタンダードエッジワイズ法による装置)
  • 抜歯部位:上顎左右の第2小臼歯、下顎左右の第1小臼歯
  • 予定治療期間:24か月・治療期間:22か月・回数:22回(月1回程度の通院)
  • 治療費総額の目安(自費):約90~110万円(税込) <毎月のチェック料、保定観察料込>
  • 副作用・リスク:
    ・初めて矯正装置を着けた時や調整した後は、疼痛や圧迫感などを感じることがあります。
    ・歯並びや口腔周辺筋のバランスを整え、咬み合わせを改善するために、やむを得ず健康な歯を抜く場合があります。
    ・治療後、僅かに歯根吸収や歯を支えている歯槽骨の吸収、歯肉退縮が見られることがあります。
    ・治療中は歯磨きしにくい部分ができるため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。
    ・リテーナー(保定装置)を適切に使用しないと後戻りすることがあります。
  • ※矯正歯科治療は公的健康保険の対象外の自由(自費)診療となります。